今日は、すみれ組さんの園内研究日。園内研修は、各学級年間1回ずつ、教職員の技術向上と教育活動の充実を目指して実施していて、他の学級の先生も交替で参観、放課後に検討会を行っています。

 今日の題材は、「野菜のスタンプ遊び」。芋版の野菜バージョンで、輪切りした野菜を思いおもいにスタンプしていきます。

 今日は、スタンプする活動場面を行いましたが、活動そのものは3回構成で考えました。

 初回は、活動の投げかけと身近な野菜への興味の醸成。生活を想起させる手段として、数種類の野菜の写真を提示して、食べたことがあるものや、好きな野菜、おうちの人とお買い物に行ったときに見た野菜に一人ひとり名前を描いたシールを貼っていきます。話し合い活動もできるようになってきた年少さんですが、「全員参加の学習活動」にするための方法としてシールを活用しました。シール貼りをしながら、個々の生活体験や、野菜の形の予想などについて、具体的に意見交換し、スタンプする野菜、試してみたい野菜をみんなで決めます。

 第2回は、いよいよ楽しみなスタンプです。

 教材研究を重ねて、染料はアクリル絵の具、キャンバスは、市販のガーゼハンカチを使うことにしました。

 

それぞれの使いたい色の机に行って、スタンプする野菜を品定めします。同じ野菜でも、切り方が変わると断面の形も変わります。切り口をじっと見つめ、角度を変えたり、他に持ち替えたりするお友だちのまなざしは真剣そのもの、3歳さんながら、立派な学びのまなざしです。一人ひとりから「頭脳出力全開」が伝わってきます。

 真剣に取り組んでいるとき、多くの人は言葉少なになります。3歳さんでも同じです。余分な言葉がほとんど聞こえてきません。黙々と、でもにこやかに。

 終った子は、2枚目に入りますが、なかなか1枚目が仕上がらない子もいます。決して気後れしているのではなくて、誰よりも真剣な面持ちでスタンプする野菜を選んでいるのでした。

 できたハンカチは、先生に見せて、教室内に張った紐に下げて展示してもらいます。計画段階では、すぐに掲示板に掲示することも考えましたが、ちょうど高倉健さんのニュースが放送されていた時期で、「ハンカチといえば、幸せの黄色いハンカチ」と、教室の中に下げて展示することにしました。

 2枚目が終ったお友だちは、お友だちと更に大きな生地にスタンプします。なかなか活動が切れずに、お昼が少々遅くなってしまいました。

 第3回は、「鑑賞」。自分の作品の良さ、お友だちの作品の良さ、みんなで取り組んだことの良さを認め合う活動になります。この時期特有の抜けるような青空の下で、みんなで野菜スタンプで色付けしたたくさんのハンカチがはためく様子も素敵かもしれません。