遡ること10日ほど。この日はとても寒くて、朝、園庭に出てみると大根が植わっていた花壇に霜柱が立っていました。これまでも、下で白くなっていることはありましたが、はっきりと柱が立ったのはこの日が初めてでした。来たお子さんに教えると、早速、霜柱集めが始まりました。砂場からシャベルとバケツを持ってきて集めますが、土の表面がすっかり凍っていて、結構な硬さです。砂場用のプラスチックのシャベルではなかなか歯が立ちません。それでも、次々、登園したお友だちが加わって、みんなでほじくると、バケツはすっかりいっぱいになりました。

 硬い土に四苦八苦している様子はわかっていましたが、手伝わずに見ていました。怪我をするような活動ではありませんし、なにより、踏めばザクザク音を立ててつぶれてしまう霜でも、その硬さや冷たさに気づいたり、シャベルの角を立てないと削り取れないことに気づいたり、遊具の影が動いてお日様の光が当たったところから解け始める様子を目の当たりにしたり、自身が直接関る中で、身の回りのことに気づいて欲しいと考えて、お友だちの様子を見ていました。

 「こんなに取れたよ。」

と、自慢げに見せに来たバケツの中は、既に土だけになっていました。