子どもたちが帰った後、園庭を歩いていると子どもたちの遊びの後があちこちに残されています。ツリーハウスの中に草が持ち込まれていたり、砂場にシャベルが忘れられていたり・・・。そして、お団子。中には、明らかに隠してあるものもあります。かわいいですね。きっと、次の日に見に来るのでしょう。せめて下駄箱に入れておけばいいのにとも思いますが・・・そこがその子らしさなのでしょう。

 お団子は、とても教材性が高く、繰り返すうちに、より良い材料を見つけたり、探したり、比べたり、手順を工夫したりしてなかなか奥深いものがあります。また、自身が作ったものを大切にするということも貴重な教材としての価値です。壊れやすい団子を「そうっと」上手に持つ中で、力加減などの感覚も培われてきます。意外にこの点が大切で、なぜなら、「加減」という感覚的な部分は実体験でしか培えないからです。以前、園舎改築前のことですが、時折、女性の先生が鍵を壊してしまうことがありました。引っかかって回らない鍵を力ずくで回して、キーのほうをねじ切ってしまうのです。機械的なものに弱いこともあるのですが、何もそこまで力を入れなくても・・・・と思ったものです。女性の先生にも力仕事をお願いしても大丈夫そう・・・と思った瞬間でした。

 スコップで穴を掘ったりするときや金槌を使ったりするときもそうです。力を入れすぎても疲れるだけで作業がはかどるわけではありません。「力加減」に気をつける体験を積む中で、微妙な手先の感覚を身につけるだけでなく、「何をどうしたらどうなるのか」を見通したり、効率性を考えたりする素地も培われいるのかもしれませんね。