年長組のみなさまにおかれましては、お芋掘りお疲れ様でした。また、お忙しいところ初めての試みにご協力いただきありがとうございました。在園生の皆さまにも、バスの運行等ご協力いただきありがとうございました。

 本日の芋ほり遠足は、天候に恵まれて、芋も大きく、近頃では最も好条件で実施できました。毎年思うことですが、子どもたちが夢中になって土と格闘する姿は、とても印象的です。そして、大きな芋を掘り当てたときの喜ぶ顔は格別です。翌年の芋ほり遠足が今年の芋ほりが終わったときから楽しみになります。

 昨日の記事で、私の原風景に触れましたが、畑に行くとどことなくほっとします。確かに、検見川辺りにも畑は少なくないのですが、やはり違うように感じてしまいます。畑に上がっていくときの道の傾き具合や竹林の香りやひやっと湿った空気、木立の間から徐々に明るく見えてくる目的地の畑や空、土の香り。今年は見られませんでしたが、例年この時期は、あちらこちらにマンジュシャゲがひときわ赤く咲いています。思わず、新美南吉の「ごんぎつね」を思い出してしまいます。兵十の母親の葬列をごんが見送る場面は、こんなだったのかなと思ってしまう様な場所もあります。

 意外に気付かないことが多いのですが、音なども特徴的です。あの場に行くと、子どもたちや先生たちの声、周囲の音が妙に一人ひとり、一つひとつはっきり聞こえるように感じます。要するに「静か」なのだと思います。とにかく雑音が無い。3年間の郡部の学校勤務を終えて、市川市の学校に戻ったとき、夜、教室の窓を開けて驚いたのは、雑音の量でした。何の音かわからない「ゴーッ」と言う音が地鳴りのようにずっと鳴っています。

「こんな騒音の中にいたのか・・・」

でも、慣れは恐ろしいもので、いつの間にか騒音は聞こえなくなってしまいました。と言うより、耳が慣れて聞こえなくなってしまったと言うべきでしょうか。今日、畑を離れるとき、畑にいた大塚さんの奥さんに手洗い場から園庭で出す普段どおりのボリュームで挨拶をしたのですが、周囲にとてもとても響いてしまって、自分の声に驚いてしまいました。

 とにかく、いろいろな、しみこむような体験をさせてあげたいと思う芋ほり遠足です。

 これは余談ですが、最近、あの辺りは私の定番のサイクリングコースになっています。適度な坂があって、信号や車が少ない道。埃っぽくない空気。静かさ。とても気持ちよく走れます。(夏場は、時折蛇が道を這っていますが・・・)